クリニックの電話とネットが繋がらなくなった日の話

こんにちは、新垣です。
5月20日、当院で電話やインターネットが繋がらなくなる事態が発生し、大変ご迷惑をおかけいたしました。
幸い、診療を止めることなく乗り切ることができましたが、反省点がいくつかありました。今回当院で行った対応についてここに書き留めておこうと思います。今後開業する方や新米開業医の方のご参考になれたら幸いです。

5月20日(水)午前7時50分、クリニックに出勤するとパソコンがネットに繋がりません。

これまでも、同様のことが数回ありましたが、そのときはルーターの再起動ボタンをポチッと押すと、復活しその後問題なく使えていました。

なので今回も同様にポチッと押しました。が、繋がらない。さらに2回ポチッ、ポチッと押してみたけど繋がらない。

ヤバい!
これはいつもと違います。当院の電子カルテは、クラウド型と呼ばれるインターネット回線を利用するタイプのため、パソコンがネットに繋がらないということは、それらが使えず診療ができません。

その時の気持ち

他のスタッフが出勤し、電話は繋がるの?と確認したところ「電話も通じません」という報告。私がクリニックに電話してみると、自動応答の声で「(うろ覚えですが)ネット回線が故障しているなどの原因により電話が通じません云々」という、これまで聞いたことのないアナウンスが流れます。これは何が起きている?

なお、NTTの相談窓口の受付開始は10時から。少なくとも開院時間である9時から電話をかけられる10時までの1時間はこの状態が続くということでしょう。

焦る気持ちを抑えつつ、これまでサイバーセキュリティ対策の1つとして検討していた「インターネットが通じなくなった時にどうするかの想定」に則り作業開始です。

以下、行ったことと感想です。

・まず最優先はパソコンをネットにつなぐこと。これは、電子カルテ用のノートパソコン3台とiPad1台、キャッシュレス決済のためのiPad1台をクリニック用と私のスマホのインターネット共有に接続します。数台共有するため、どれくらいスムーズに動くか心配でしたが、問題のないスピードで電子カルテの使用ができました。ただ、パソコンやiPadをさわらない時間が長くなると接続が途切れるので、そのたびにつなぎ直すという手間がありました。ちなみに、普段事務で使用しているタワー型パソコンは、WIFIにつなぐことができないため、このような時には使用できません。災害時にはノートパソコンのほうが使い勝手がいいです。

・パソコンがネットに繋がり安堵していたところ、スタッフより「プリンターが動きません」との報告。想定していなかったことに、無線LANで繋いでいるプリンターも使えなくなりました。パソコンとプリンターを直接つなぐLANケーブルを用意してはいましたが、ノートパソコンとLANケーブルをつなぐコネクターを準備しておらず、結果プリンターは使えない。急遽、用意してあった手書きの「処方箋」と「診療情報提供書(いわゆる紹介状)」と「診断書」を必要枚数コピー。その後数十枚の書類を書きましたが、忙しい中で書く字は元々汚いのがさらに汚くなり、恥ずかしいなあと思いながら書き進めました。

・検査センターに電話(検査センターは血液検査などの検体を提出する機関です)。いつもはオーダーをパソコンから送っていますが、手書きで提出することや、電話やFAXが使えないことを連絡(急ぎの結果をいつもFAXで送ってもらっています)。検査オーダーは、用意してあった手書きで提出するものを使用。

・ホームページに「現在電話が繋がりません。御用はお問い合わせフォームからお願いします」と掲載。結果、数人の患者さんがフォームから連絡を下さった。

・マイナ保険証の読み取りができないので、事務より患者さん(特に初診の方)に電話やSMSで連絡し、資格確認証・携帯のマイナポータルの資格情報・保険証のいずれかを持参するようお願いした。(電話は出られない方が多く、SMSが有効だった)

・領収書について。当院で採用しているデジスマ診療は、アプリに領収書が送付ができ、助かりました。アプリを使われていない方には、当日すぐに希望される方には紙でお渡しする。後日で良い方は次回受診時や郵送での対応としました。

という感じであれこれと準備をし、いつもより10分遅れての診療開始。
大きな問題なく診療や会計ができたものの、診察は処方箋などの手書き作業が増える分時間が多くかかり、普段より待ち時間が長くなってしまいました。

10時を過ぎ、スタッフがNTTカスタマーサービスに連絡すると、「この一帯の設備区間の故障で、クリニックが入居しているマンション全体の回線が使えなくなっている」と。

なんと!そんなことが起こっていたのか。

NTTから届いたSMSでの回答が以下。

「当日の状況次第では修理できない場合がある」という何とも頼りない返事でしたが、当院の中で何かが起こっていたわけではないことに安堵しました。

その後13:20頃に電話・ネット回線が復旧し、午後の診療は通常通り行うことができました。

対応する中で感じたのは、インターネットに接続して使用する現在の診療体制は、便利とメリットが沢山ある反面、ネットが使えなくなった途端に破綻する脆さがある、ということ。安定したネット環境があってこそ成り立つことを痛感しました。

その他、今回わかったこと。
・プリンター(EPSON)が使えなくなったことが一番大変でした。ルーターにWIFIで接続していればネット回線が繋がらなくてもプリンターは使える、という意見も聞きましたが、実際は使えなかった。ノートパソコンとプリンターをLANケーブルでつなぐ設備を事前に備えておくことが大切!
・最寄りの薬局の薬剤師さんが徒歩でいらして、処方箋の薬剤名を記入する場所の最後に「以下余白」と必ず記載するように伝えて下さった。普段手書きで処方箋を書く機会がなく、このような基本的なことを知らずにいたりする。そして、近隣薬局に電話が通じないことを連絡することも大切!(今回は考えが至らず連絡をしていませんでした)
・クリニック用に用意していたスマホが大活躍でした。固定電話以外にも携帯電話を用意しておくと有事に役立つ!

以上です。
大災害など起きてなくても、非常事態はある日突然やってきます。再び来るだろう次のその日に備えて、一層の準備をしようと心に誓ったのでした。