私は更年期?この症状は更年期障害?
新垣です。
30代後半あたりから女性は、今までになかった体調不良が出ると「これは更年期のせい?」と考える傾向があるようで、外来でもしばしばご相談を頂きます。

ここで今一度、「更年期」という言葉について整理してみます。
更年期がつく言葉としては「更年期」「更年期症状」「更年期障害」があり、それぞれ意味が違います。
まず「更年期」は、閉経前5年〜閉経後5年間の「時期」を意味します。閉経の平均年齢は50歳頃なので、平均すると45歳〜55歳頃が更年期ということになります。しかし、実際の閉経年齢は30代後半〜50代後半と幅があり、早い人は30代前半から更年期に入りますし、遅い方は50歳になっても更年期ではありません。そして、自分の閉経年齢を事前に知ることはできないので、更年期の入口を正確に知ることはできません。
次に「更年期症状」は、更年期に入り女性ホルモンが低下することで現れた(と思われる)症状はあるけれど、日常生活に支障がない程度、という時に使う用語です。
それに対し「更年期障害」は、日常生活に支障をきたすほどの症状があり、治療が必要な場合を指します。
では、更年期に入ったらいつでも更年期症状&障害が起こるのでしょうか?
実はそうとも限りません。更年期に入っていても月経が毎月順調に来ているうちは、女性ホルモンがしっかり分泌されているので、更年期症状&障害が起こることはありません。ですから、月経が順調な時に出現した体調不良の原因は、更年期症状&障害ではない別の理由と考える方が、適切な治療につながりやすいです。
もし、体調不良が出てきた頃と同時期に「そういえば生理も不順でで来ない月があったわ」ということでしたら、更年期症状&障害の可能性があります。
自分の症状が更年期障害なのかと不安を持たれている方の参考になると嬉しいです。
更年期症状であってもなくても、つらい症状がある場合は楽にするための治療を一緒に考えますから、お気軽に相談にいらして下さいね。