更年期障害の市販薬①〜命の母は効くの?

 新垣です。今回から3回シリーズで更年期障害の市販薬について書きます。

 市販薬で最も有名な「命の母」。この知名度は本当にすごいですね。更年期障害だけでなく、生理痛や月経前症候群に対しても、「命の母を試しました」と言われることが多々あります。今回は更年期障害のために作られている「命の母A」について解説します。

 命の母Aは漢方薬とビタミン剤の配合剤ですが、症状を緩和してくれるのは主に漢方薬の成分です。漢方薬というのは薬効のある植物等の成分(生薬)からできている薬で、その人に体質に合った漢方薬を飲むことで様々な体調不良を改善させることができます。命の母Aと病院から処方する漢方との違いは何かというと、命の母Aは更年期によく使用される3種類の漢方薬(当帰芍薬散、桂枝茯苓丸、加味逍遙散)の成分が一通り配合されており、含まれる生薬の数が多いところ。通常、医師がこの3種を一度に処方することはなく、その人の体質を見て適したものを処方しますが、市販薬では診察をしませんので「とりあえず3つ混ぜちゃえば色んな人に効くでしょ」という発想で混ぜた感じでしょうか。効果の方はというと、よく効く人もいますが、病院で処方される漢方に比べると1つ1つの生薬の量が少なく効果を出すには不十分の場合もあり、全く効かないという人もいます。

 では、どのくらい飲めば効果がわかるのでしょうか。漢方薬は何ヶ月も飲まないと効果が現れないと誤解している方がいますが、そんなことはありません。効く漢方は数日〜数週間で症状の改善が見られます。ですから、1ヶ月飲んでも効かない場合は「効かない」と判断して大丈夫です。効かないのに高価な市販薬の購入を続けるのは金銭的にもつらいもの。病院で処方できる漢方は保険が適用になるため市販より安く、多くの種類があるため選択肢も多いです。市販薬で効かない時は婦人科に相談するのもオススメですよ。