更年期なのか、を知る方法
新垣です。今回は、自分が更年期なのかどうかを知る方法について書きます。
更年期というのは閉経の前後5年の10年間のことをいいます。日本人女性の閉経の平均年齢は50−51歳なので、更年期は45−55歳くらいということになりますが、早いと40歳で閉経する方、遅いと55歳まで月経がある方など、閉経年齢は個人差が大きいため、更年期時期も個人により違います。
更年期に起こるのは卵巣機能の変化です。卵巣の働きが弱まるため、卵巣から分泌されるエストロゲン量が徐々に減り、その後卵巣の働きが完全に停止し、エストロゲンの分泌がゼロになります。エストロゲンには自律神経の調節など色々な作用があるため、エストロゲン量の変化は更年期障害と呼ばれる、心身の色々な症状を引き起こすことがあります(※個人差があり、ほとんど症状を感じない人もいます)。
女性にとって、今自分が更年期にいるのかどうかは興味のあるところと思いますが、まず、月経が(周期は短くなっても)順調に来ている時は本格的な更年期ではないことが多いです。30代後半〜40代になると卵巣機能は少しずつ低下しますが、最初に出てくる変化は月経周期が短くなることで、それまで28日周期だったのが25日、23日という感じに短くなります。これは、排卵までの期間が短くなることが原因です。でも、この時期はまだ更年期ではないことがほとんどです。この期間をしばらく経たあと、さらに卵巣機能が低下すると月経が来ない月が出てきたり、1ヶ月に2回来たり、不正出血がだらだらしたり短くなったりして、こうなると更年期に入った可能性が高くなります。
更年期をより正確に診断するためには血液検査で「FSH」という、卵巣機能を調節するホルモンを検査する方法があります。FSHは卵巣で卵胞を育てるために必要なホルモンですが、卵巣の働きが低下すると、がんばれ!と指令を多く出すため、FSH値が上昇します。具体的には、卵巣機能が正常な時は6−8くらい、卵巣機能が少し下がると10以上となり、更年期になると30−40くらいになり、閉経すると100前後の値となります。
この採血は、月経が順調な方は月経中の、特に3−5日目に採血すると正確な判断ができます。「ご自身のFSH値を知りたい!」という方は月経3−5日目に婦人科を受診すると良いですよ。月経が不順な方は、まず婦人科を受診し、その日が採血に適しているかどうかを医師に診断してもらいましょう。50歳前後で既に1年以上月経が来ていないという方は、採血の必要はないことが多いです。というのは、閉経していることがほぼ確定であり、採血するとFSHが高値であることが想像できるからです。
「自分は今更年期なの?」「この症状は更年期のせいなの?」など気軽に婦人科医に相談して下さいね。