中高生の生理痛治療にピルを考えるのはこんな時

新垣です。毎日のように「生理痛がつらい」と10代の女の子が受診されます。痛みの真っ最中に受診する子も多く、痛みでぐったりしている様子がかわいそうになります。

生理痛の治療は痛み止めの他に、子宮の収縮を抑える薬(鎮痙薬)や漢方薬、低用量ピル(以下ピル)や黄体ホルモンなどの女性ホルモン薬があり、そのうち最も効果が高いのは女性ホルモン薬です。

試していく順番としては、最初に痛み止め、鎮痙薬、漢方の1つまたはいくつかを組み合わせて。それらが無効なら女性ホルモン薬を使用する、というのが一般的です。

でも、受診時すでにいくつかの痛み止めを使用しても効果が不十分という子には最初から女性ホルモン薬をおすすします。特に生理痛で学校を早退したり休むという場合はかなり痛みが強いと判断し、生理痛が人生に悪影響を及ぼすこと、痛みを放置し続けると将来子宮内膜症ができて、より生理痛が強くなったり不妊症となる可能性が高まることなどを説明して理解して頂いた上で、女性ホルモン薬から開始することがほとんどです。

でも多くの保護者は最初、薬の副作用を心配され、使用をためらわれます。ホルモン薬と聞くと、どうしてもイメージが悪いですよね。でも、最近の女性ホルモン薬はかなり安全に使用できるようになっています。

ピルや黄体ホルモン剤の副作用は、最初に吐き気やだるさなどが出る場合がありますが、だからと言って怖い薬という訳ではありません。薬の特性上、どうしても最初の数日は副作用を感じることが多いです。でも、数日で改善することがほとんどです。中には症状が強く薬の継続が難しい場合もありますが、その場合は違う薬に変更して、その子に合う薬を探します。

生理痛は立派な病気ですから、お気軽に相談にいらして下さいね。いくつかある治療の選択肢の中から、あなたに合う治療を相談しましょう。

先日、性教育授業の時に頂いた学校給食。
三十数年ぶりの給食にテンションが上がりました。
メニューは中華丼と昆布&豆腐のスープ。いいお味でした。