ピルで生理を止めるのって体に悪いの?
新垣です。今回は、患者さんから良く頂く質問「ピルで生理を止めるのは体に悪い?」について書きます。
低用量ピルは、2種類の女性ホルモンが含まれていて、毎日服用すると排卵が止まり、生理痛・過多月経・月経前症候群が改善する素敵な薬です。
低用量ピルは、内服中は出血が起こりにくく、休薬すると出血します。その作用を利用して、1か月に1回休薬して生理の様な出血を起こすこともできるし、休薬せずに飲み続けて生理周期を伸ばす(生理を来ないようにする)こともできます。
生理周期を伸ばすピルを飲むと3-4か月生理が来ないので楽ですよ、と説明すると、「毎月出血が起こらないと体に悪いんじゃない?」と言われる方がいます。低用量ピルを飲んでいない時はその通りで、3か月に1回は生理が起きてくれる方が良いです。理由は、子宮内膜を時々はがして掃除をしないと、子宮内膜に変な細胞(がん細胞)ができやすくなるからです。でも低用量ピルを飲んでいる時は出血しなくても問題ありません。ピル内服中は、子宮内膜が常にはがれた後の状態になっており、安全に出血がおきない状態にしているからです。
実際、低用量ピルを10-15年内服している方は子宮内膜がん(子宮体がん)の発症が50%も少ないというデータがあります(出展はこちら)。その他、排卵を止めることで卵巣が傷つくことを防ぐため卵巣がんも減少しますし、大腸がんの予防効果もあります。
という訳で、低用量ピルを内服して生理の回数を減らすことは体に全く問題ありません。排卵は、妊娠を希望しない時にはなくてもいいものですから、安心してピルを活用して下さいね。
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