低用量ピルってどんな薬?

新垣です。今回は避妊だけでなく生理痛や月経前症候群(PMS)の治療で使われる女性の強い味方、低用量ピル(以下ピル)を紹介します。

女性達が避妊できる薬を作るぞ!と、アメリカで開発が始まったピルですが、ではどうしたらそんな薬ができるものかと考え考え、、「そうだ、妊娠すると排卵が止まって生理が来なくなるぞ。ということは妊娠中の体になにかヒントがあるはずだ。妊娠してない時としている時の違いは、、妊娠中は女性ホルモンの量が多いぞ!ということは、女性ホルモンを薬にして使ってみたら排卵が止まって避妊できるんじゃないか?」と思いついたのがどんぴしゃりだったそうで。

こうして作られたのがピルですが、開発当時のものは今と比べると高用量で、女性ホルモンの量が多く副作用が強く出てしまいました。そのため、より安全なピルを目指してホルモン量が減量され、1973年に低用量ピルが開発されました。現在は超低用量ピルと呼ばれる、さらにホルモン量が少ないピルもあり、選択の幅が広がっています。

ピルは、実際に服用してみると避妊効果だけでなく生理痛が軽減する、生理の量が軽くなるなどの嬉しい効果があったため、現在はそれらの治療薬として保険適応になっています。ピルの効果には他に・月経前症候群(PMS)が軽くなる・にきびが良くなる・生理周期が整う・生理周期を長くできる・生理時期をずらせる・子宮体がん、卵巣がん、大腸がんを減らす・などがあります。こんなに素敵な効果があるピルですから、女性の皆さんにライフステージに応じてうまく利用してほしいです。

ちなみに私は月経前症候群(PMS)のイライラが辛く、6年前から超低用量ピルを内服しています。自分がおかしいんじゃないかと思うほど生理前のイライラは制御ができずに苦しい思いをしましたが、ピルのおかげで本当に楽になりました。

ピルの副作用は、飲み始めに吐き気が出る方が時々おられますが、徐々に慣れることが多いです。重大な副作用として血栓症があるため、血栓量リスクの高い方は内服できません。

私もピルを飲んでみたいな、と思われた方は気軽に婦人科に相談下さいね。

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ロフトの壁に開けた穴から出たやまちゃん。
棚に飛び移ろうとしているところ。