子宮内膜症とは

子宮内膜に似た組織が子宮以外の場所(卵巣・骨盤内など)にできてしまう病気を子宮内膜症といいます。そのうち、卵巣にできたものを卵巣チョコレートのう胞と呼びます。子宮内膜症の組織は女性ホルモンの影響を受け、正常な子宮内膜と同じように増殖して剥がれることを繰り返します。原因はまだ完全に分かってはいませんが、月経血が卵管を逆流して腹腔内に出ることで、月経血に含まれる子宮内膜が異所性に定着してしまうのではないかと考えられています。月経がある女性の10人に1人、不妊症患者さんの3人に1人に子宮内膜症があると言われています。

症状

子宮内膜症ができると、内膜症の組織と周囲が癒着することで以下のような症状の原因となります。

・ 生理痛
・ 生理時以外の下腹痛、腰痛
・ 性交痛
・ 排便痛
・ 不妊症 など

治療

子宮内膜症は強い生理痛・骨盤痛や不妊症の原因となるため、鎮痛剤のみの対処ではなく、進行を抑える低用量ピルや黄体ホルモン製剤(ジェノゲスト)などの服用をお勧めします。また、妊娠を希望される方は、妊娠中は生理が停止し子宮内膜症の進行が抑えられるため、早めに妊娠することもお勧めです。妊娠しない場合は早めに産婦人科に相談しましょう。