卵巣のう腫とは
卵巣に水分や脂肪、血液などが溜まってふくらんだ状態を卵巣のう種と呼びます。中身の正常により以下の4つに分けられます。多くが良性のものですが、5〜6cm以上の大きさになると捻れたり破裂するリスクが高まるため、手術をお勧めすることがあります。
①漿液性のう腫
卵巣のう腫の中で最も頻度が高いです。卵巣から分泌される透明の水分が溜まったもので、どの年代の女性にもみられます。
②粘液性のう腫
粘性の高い透明な液体が溜まったもの。年配の女性に多くみられます。
③チョコレート膿腫
子宮内膜が卵巣内に定着し、経血が卵巣内にたまったもの。子宮内膜症性のう胞とも呼ばれます。20代〜40代に多く見られます。子宮内膜症についてはこちら
④皮様のう腫
卵巣の中に油や髪の毛、歯などが溜まったもの。どの年代の女性にも見られます。
症状
漿液性、粘液性、皮様のう腫
小さいうちは無症状のことが多いですが、大きくなると腹部圧迫感、腹痛、のう腫の破裂、茎捻転(のう腫が捻じれる)などが起こることあります。
チョコレートのう腫
のう腫が小さくても、月経痛や腰痛、性交痛の原因となりやすいです。周囲と癒着しやすいため捻じれる頻度は他ののう腫に比べると低いですが、大きくなると破裂して強い腹痛が起こる場合があります。また、癌化のリスクが0.7%あり、40代以降の方、大きいチョコレートのう腫で頻度が高いと言われています。
治療
漿液性、粘液性、皮様の
のう腫が小さいうちは様子を見ますが、5〜6cmを越すと破裂や茎捻転のリスクが高くなるため手術をお勧めすることがあります。
チョコレートのう腫
のう腫が小さくても、月経痛などの症状がある場合は低用量ピルや黄体ホルモン剤などの治療をお勧めすることがあります。のう腫が5〜6cmを越すと手術をお薦めすることがあります。