不妊とは

不妊とは、健康な男女が避妊をしないで性交をしても一定期間妊娠しないことです。一定期間とは1年とすることが多いですが、女性が35才以上の場合は半年とすることもあります。厚生労働省の調査によると、不妊を心配したことのある夫婦は2.6組に1組、実際に不妊治療を受けたことがある夫婦は4.4組に1組。妊活の開始年齢が遅くなっている影響もあり、不妊である夫婦の割合は年々増加しています。

当クリニックでは、妊娠しない原因がないかの検査や、タイミング治療・人工授精による治療を行います。ご夫婦の希望に合わせ、必要な検査や治療を相談することができますから、まずはお気軽に受診して下さい。

不妊治療のための検査
検査項目検査の詳細
女性ホルモン卵巣機能の指標となります
プロラクチン高値だと妊娠しにくくなるためお薬で治療します
甲状腺ホルモン甲状腺機能低下症や亢進症がないかを調べます
貧血検査(フェリチン)フェリチンは「隠れ貧血」がないかの指標となります。フェリチンが低値なら鉄の補給を行います
生化学検査肝機能、腎機能などを調べます
ビタミンD不足していると妊娠率が低下する可能性があり、サプリメントでの補充をお勧めします。
風疹抗体妊婦さんが罹患すると赤ちゃんに影響が出るため、抗体価が低い時は妊娠前にワクチンを接種します
クラミジア抗体性感染症のクラミジアにかかったことがないかを調べます。
クラミジアは精子と卵子が出会う卵管を詰まらせることがあります。
AMH
(抗ミュラー管ホルモン)
卵巣にある卵胞の残り数を反映する検査です。低値だと閉経が早い可能性があり、早めの妊活をお勧めします
抗精子抗体膣内に入った精子の動きを止めてしまう抗体がないか検査をします
経腟超音波子宮や卵巣の形態、卵胞の発育具合を調べます
膣分泌物培養治療すべき細菌がいないか検査します
卵管造影精子と卵子が出会い受精する場所である卵管が通過しているかを検査します
通水検査子宮内に生理食塩水を注入して超音波で観察し、子宮内にポリープなどがないか検査をします
精液検査精子の数、運動率、正常形態率を調べます
フーナー検査排卵頃、性交した後12時間以内に子宮頸管粘液を調べ、精子がいるか、動いているかを検査します
タイミング療法

超音波や尿中LH検査などを組み合わせて排卵時期を推測し、性交渉のタイミング指導を行います。排卵誘発剤(内服、注射)や女性ホルモン薬(内服)を使用することもあります。

人工授精

排卵時期に、洗浄精子を直接子宮内に注入する方法です。タイミング療法より妊娠率が高まります。女性が高齢(38歳以上)の場合、精液の量や精子の数が少ない場合、不妊期間が長い場合、性交障害がある場合などに人工授精をおすすめいたします。

ステップアップの目安

より妊娠率の高い方法に変更することをステップアップと言います。タイミング療法を4〜6回行っても妊娠しない場合は、より妊娠率が高い人工授精を、人工授精を行っても4〜6回行っても妊娠しない場合は体外受精へのステップアップを提案いたします。

喫煙される方は、まず禁煙しましょう

喫煙は卵子や精子の質を下げ、妊娠しにくい体質を作り、女性の喫煙は流産、早産を増加させ、胎児の奇形、低体重の原因となります。男女とも不妊治療の第一歩は禁煙から。自分で禁煙するが難しい方は、不妊治療の前に禁煙外来を受診して下さい。